原因判明
路面からのショックが凄くて困っていた日野レンジャーのお客様。
確かに中々の衝撃がありました。
色々考えました。
リーフがヘタってる?
キャビンのトーションバースプリング?
ショックアブソーバー?
原因は違いました。
正直ここに書くのも恥ずかしいぐらい見てすぐに分かる場所でした。
まだまだ勉強不足です。
情けない…
と言う事で、凹んでても仕方ないので原因いきます。
シャックルとブラケット
まずは正常な車。
グリスを刺すニップルが二箇所付いていてる部品がシャックル。
フレームにボルト、ナットで止まっているのがブラケット。
路面からのショックをシャックルの下側が画面の左方向に動いてリーフのたわみと同時にショックを吸収します。
次に今回の日野レンジャーのお客様の車
シャックルの下側がショックを逃がす画面左方向に目一杯動いて、シャックルがブラケットに当たっています。
これでは路面からのショックをもろにフレームで受け止めていると一緒です。
上側のニップルが付いているピンの位置もずれてしまっているので、このピンが摩耗してこの様な状態になったかと思います。
どうしてこうなった?
今回の日野レンジャーのお客様ですが、青果物を運ぶ運送屋さんで、以前野菜の値段が高騰した時に輸入野菜が半端なく売れ輸送量が大変な量になり、かなり過積載して走っていました。
距離的にはそんなに長い距離過積載した訳ではないですが、やはりダメージはあったみたいですね。
過積載しているからグリスアップや点検はまめに行っていましたが、走行距離も100万km超えてくるとダメになりますね。
それに気付かなかった自分が情けない…
消耗品
日野のディーラーに連絡を入れ、部品を頼んだら、「あーシャックルですか、僕の中では冷凍冷蔵車のシャックルは消耗品ですね」と言われました。
は?マジか!
逆によくもったぐらい言われました。
冷凍冷蔵車は箱が重たいので、ダメになりやすいみたいです。
箱が重くて、さらに過積載してたら尚更でしょうね。
ヘッドライト
日野レンジャーのヘッドライトはとても弱く、良く切れたり、ガタガタしたりします。
今回のお客様も両方ダメになり、安い台湾製のヘッドライトユニットに交換しましたが、この路面のショックを吸収しきれてなかったのも1つの要因かも知れません。
対策は?
このシャックルとブラケットですが、車重から荷物、路面からのショックなどを随時受け続けていて、新車から1年もしないウチに消耗していきます。
小まめにグリスを刺すのが対策としては有効ですが、そのウチにグリスが入らなくなって来たりしてくると、シャックル、ブラケット、ブッシュが減って来たなって感じになります。
交換時期
何万kmに1回とか目安が付きにくい部品で、グリスが入らなくなり、シャックルにブラケットと当たった様な跡があれば交換かなぁって感じです。
車検などで判明する事が多く、今回のお客様ぐらいまで行ってしまうとリーフも怪しくなって来るので、乗り手のドライバーさんが乗り心地がゴツゴツして来たと感じたら一度見てもらった方が良いと思います。
修理見積もり
今回のお客様の修理の見積もりですが、シャックル、ブラケット、リーフスプリング、その他付属品、工賃と部品代合わせて、40万円ぐらいでした。
しかも、個人の運送屋さんなので、仕事を休む事が出来ないので、レンタカー代が4tの冷凍冷蔵車で日額32000円の二日間なので64000円。
全部で50万円近い金額が出てきました。
まとめ
今回の修理内容は僕もとても勉強になりました。
シャックルにグリスが入らない車を今まで一杯見て来ましたが、高圧洗浄すれば大体入る様になりました。
今回のお客様も高圧洗浄しグリスがしっかり入っているのを確認してましたが、この様な事態になってしまいました。
お客様には本当に申し訳ないと思いました。
今回の件を教訓にグリスアップや点検時に、しっかりと見て、大きな故障を未然に防止して行く様に努力して行きます。