
台風
最近の台風で強風による被害や、河川が氾濫し水没による車の被害が出ています。
東京でも多摩川が氾濫し水害が出ています。
車はタイヤの半分より上まで水が来たらダメだと言います。
今回僕も初めて水害の恐ろしさを実感しました。
ウチの会社に入って来た修理依頼を紹介します。
トラックの場合
どの車もですが、冠水してしまった場合走れるか走れないかのラインはタイヤの真ん中までだと言います。
マフラーやエアクリーナーまで水が来ているとエンジンが止まってしまいます。
特にハイエースや2トントラック、3トントラックなどはエアクリーナーが下に付いています。
今回1番被害が大きかったのがま2トン、3トントラックでした。
冠水や水溜りなどで思いっきり水を吸い込んでしまいウォーターハンマー現象を起こしてしまいます。
こうなるとエンジンオーバーホールか載せ替えるかしかなくなります。
かなりの損害です。
トラックのドライバーさんは水溜りや冠水した時には気をつけて下さい。
フォークリフト
次に被害が大きかったのがフォークリフトです。
最近のフォークリフトも排ガス規制などでコンピュータ制御をして、排ガスを少なくしないといけなくなっています。
トヨタのフォークリフトのコンピュータは乗車する際のステップの内側に付いています。
今回水没したフォークリフトは水の深さで言うと最大でシート下まで、腰の高さぐらいまで水が来ました。
コンピューターが積んである上まで来ました。
これが水没したフォークリフトです。
真ん中の太い配線の先にコンピューターがありますが、完全に水に浸かってしまったみたいで、メーターパネルにエラーが表示されています。
コンピューターはどうなっているのかバラしてみましょう。
足下のパネルを外し、コンピューターのカバーを外すと出てきました。
コンピューターを単体で外し、さらにバラして行きます。
カプラーをガチャガチャ外して行くと、カプラやコンピューターの基盤などが刺さる部分に腐食を発見しました。
完全に水か入った証拠です。
症状
この様な状態になった場合、エンジンがかからなかったり、エンジンはかかるが前後進時にエラーが出てしまい動かなくなったりします。
原因は水の侵入により基盤の中がショートして電気の動線の針金を飛ばしてしまいます。
前後進のエラーはたぶんですが、腐食していた箇所に前後進リレーが入っていますので、それがダメなのではないかと思います。
修理方法
コンピューターを外して基盤修理をやっている業者に送ってキレイにしてもらい、ショートした部分を直してもらう依頼をしました。
数日後に業者から返答があり、「この腐食している原因がバッテリー液なので、これだけ腐食していると修理は不可能です」との解答でした。
確かにすぐに上にバッテリーがあり、バッテリー液は、希硫酸なので色々なものを溶かしてしまいます。
コンピューターは載せ換え以外の方法はないみたいですね。
しかし、このコンピューターかなり高価でいくらぐらいすると思いますか?
なんと一個30万円します。
しかも水没した電装品類は全てダメなので、オルタネーターやバッテリー、メインハーネス全て交換しないといけません。
ただ、全て交換しても完璧かと言われれば分かりません。
結果
やはり水没した車は修理よりかは廃車して、新しいのを買うのがベストな選択だと思います。
複数台ある場合は損害額は相当な物になります。
今回の水害で、トラックが10台前後と、フォークリフトが30台前後の被害が出ているみたいです。
まとめ
水害のあった現場は両サイドを小さな川に挟まれ土地も低く、水が溜まりやすい条件が揃っていました。
最強台風の豪雨により。川が溢れて水没しました。
ただ全てのフォークリフトがダメになった訳ではありません。
バースやホームの上に止まっていたフォークリフトや坂の上や微妙に高い所などにあったフォークリフトはセーフでした。
とても難しいですが、今回の様な最強台風や豪雨が来る事はある程度予想出来るので、車を少しでも高い所に逃がすのが大事だと思います。
エアークリーナーが下に付いている車などは無理に走らせず、やむおえない場合も水溜りや冠水箇所には、細心の注意を払って走行する様にしましょう。
大手スーパーも台風時の配送は無しにしている所もあったので、無理して車を壊すよりかは使わないのがベストだと思います。
この先これまでの想定を超える災害がまだ起こると思います。
今回の災害をきっかけにどう動いたら1番被害を最小限に出来るか考えておく必要があると思いました。