トラックのオーバーヒートを予防しよう

  • 2019年3月5日
  • 整備
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UDトラックス

以前から車検や修理などで入庫しているUDトラックスの4t冷凍冷蔵ウイングがあります。

中古で買って来たトラックで、ヒーターが効かなくなって修理で入庫しました。

エアコンのヒーター

ヒーターを温めるにはエンジンの冷却水を使っています。

エンジンで熱くなった冷却水を室内にある小さなラジエーターみたいなヒーターコアに送り、そこに風を当てて暖かい風を出しています。

ヒーターコア

この小さなラジエーターのヒーターコアが詰まると暖かい風が出なくなってしまいます。

症状としては

  • 温風が出ない
  • 助手席側だけ温風が出る
  • 温風が弱い

など単純にヒーターが効きません。

原因

冷却水の交換をしていなかったりすると冷却水経路でサビが発生し、ヒーターコアを詰まらせたりします。

冷却水には凍結防止とサビ防止の為にLLCと呼ばれる溶剤が入っており、普段は水が減ったら真水を足せばいいのですが、徐々に薄まります。

そうすると水の経路にサビが発生し、冷却水を詰まらせます。

今回の車は冷却水にエンジンオイルが混じっていました。

そのエンジンオイルがヘドロになりヒーターコアを詰まらせた様です。

冷却水にエンジンオイル

トラックにはオイルの温度を下げるオイルクーラーが付いていますが、そのオイルクーラーからエンジンオイルが混じってしまうみたいです。

オイルクーラーをオーバーホールしてガスケットを交換すれば直りますが1度エンジンオイルが混じると厄介です。

エンジンオイルがゴム部品を劣化させブヨブヨにしてしまいます。

ほぼ全ての冷却水ホースがダメになってしまいます。

さらに冷却水路のヘドロを全て除去するのはほぼ不可能です。

処置方法

とりあえずオイルクーラーをオーバーホールしホースを全て交換して冷却水も交換します。

とりあえずラジエーターからスチームでお湯を圧送して掃除するがそれでも足りないので、真水を入れて1週間に一回ペース、計3回水を交換して最後にLLCを入れる。

その後

ヒーターも効いていて快適に乗れていた様ですが、半年後ぐらいに何か調子悪いなぁと感じ始め、水温計をみたらレッドゾーン手前まで上がっている。

こりゃヤバイとリザーバータンクの水を確認するが入っていない。

まさかなぁとラジエーターキャップを開け確認すると入っていない。

社長から電話があり「オーバーヒートするみたいだからとりあえず水足したよ」と連絡が入り、しばらく様子を見てもらったのですが、やはりオーバーヒートして、水が入ってない。

しかも日に日に酷くなって行き、最終的には川越から東京に来て水を足すと8リットルも入ってしまった。

水漏れの疑い

車を預り状況を確認。

どこからか水が漏れているだろうと思い、確認するが漏れた形跡はない。

ヘッドガスケットがダメになり水が燃えてしまった?

そんな感じでもない。

オーバーヒートする原因が分からない。

原因判明

どうやら冷却水にオイルが混じっていた影響で、サーモスタッドかラジエーターが詰まってしまったみたいで水が循環しきれてないみたいです。

サーモスタッドを交換して確認しましたが、確かにまだヘドロが付着していてサーモスタッドのゴム部品はブヨブヨ。

ラジエーターも交換しましたが、割って中を確認する時間がなかったので分かりませんが、僕の予想はこっちだと思います。

ラジエーターの内部で詰まって冷却しきれなかったのではないかと思います。

まとめ

サーモスタッド、ラジエーターを交換してまた普通に走れる様になりひと安心です。

ただ1度冷却水にオイルが回ってしまった車は何が起きるか分かりません。

オイルが回るもそうですが、サビも非常に厄介です。

水路はエンジン内部の事なので、サビや汚れを全てキレイにするのは相当大変です。

予防整備をしっかりして行きましょう。

ディーラー車検でも冷却水は頼まれないと交換しないので、そんな高い金額ではないのでやってもらいましょう。

 

 

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