クラッチ
若い方などはオートマ限定の免許だったりして、トラックにもオートマやセミオートマが増えていますが、やはりマニュアル車の方が多いです。
マニュアル車も乗り慣れるとオートマより細かい制御が出来るので、クラッチの操作方法さえ覚えてしまえばオートマより乗り易くなります。
クラッチの構造
まず先にクラッチの構造を理解しましょう。
クラッチの主要部品は以上3点です。
- フライホイールはエンジン(常時回転)
- クラッチバンはミッション
- クラッチカバーはエンジン
常時回転しているエンジンの動力をミッションに繋げる為にクラッチはあります。
- クラッチを踏む
- ディスクがフライホイールから離れ、空転する(動力は切れている)
- 半クラッチをする(動力が少しづつ繋がる)
- 車がゆっくり動き出す
- クラッチペダルを離す
- ディスクがフライホイールと結合してエンジンの動力がミッションに伝わる
- アクセル踏み走り出す
要はディスクの動きをイメージ出来れば分かりやすいです。
クラッチを踏む→ディスクが離れる→半クラッチ→ディスクがエンジンにちょっと当たる→クラッチを離す→完全にフライホイールにくっ付く。
他にも細かい部品が色々ありますが、運転するにはクラッチがどうやって繋がって走るのかがイメージ出来ていれば問題ないと思います。
半クラッチ
1番マニュアルを乗る上で難しい半クラッチ。
新人さんからベテランでも勘違いしている人が多い所です。
半クラッチはクラッチペダルを離し始め、車が動き出したペダル位置を半クラッチと言います。
クラッチディスクが無回転の状態から、回転しているエンジンにゆっくり押し付けられるイメージてす。
もしクラッチがなかったら高速回転しているエンジンの動力を直接ミッションにドカーンっとぶち込む事になるので、ミッションかエンジンが壊れますよね。
クラッチの故障
クラッチの故障で多いのはクラッチディスクの摩耗です。
回転しているエンジンに無回転のディスクが押し付けられる訳だからディスクは減ります。
半クラッチ前に空ぶかししてから繋いだり、エンストしない為にエンジンの回転をあげて繋ぐ人がいますが、エンジンの回転が高い程ディスクは早く摩耗します。
過積載も同じですね、トラックの自重が重いほど動かすのにチカラが入りますのでクラッチにはかなり負担がかかります。
もしクラッチディスクを滑らせてしまって、気付かずに走って、最終的にはクラッチを焼いてしまう事になります。
クラッチを焼いてしまった場合は、もう走る事は出来ないのでレッカーで運んでもらうしかありません。
クラッチが固着してしまう場合もあります。
日野の4tトラックに多いのでミッション周辺のグリスニップルに半年に1回はグリスを刺しましょう。
グリスアップの方法はこちら↓↓↓
走行中にギシギシなったり曲がる時にバキンって鳴るけど何で?パワーゲートが出てくるのが遅くて日が暮れちゃうよどちらもグリス切れの症状が出てますのでグリスを刺すだけで改善します[…]
上手いクラッチの繋ぎ方
トラックなどのディーゼルエンジンはトルクがあるので2速でゆっくりクラッチを離して行けばエンストせずにクラッチペダルから足を離せます。
僕か思う1番上手いクラッチの繋ぎ方々はクラッチペダルを離しきってからアクセル入れている人はクラッチをよく理解した上手いドライバーだなと思います。
上手い人と下手な人はすぐ分かります。
空ぶかしなどをしてクラッチを繋ぐのはディスクの消耗を早めるだけです。
たまにクラッチペダルに足を乗せたまま走る人がいますが、これもディスクが消耗します。
ディスクとエンジンのフライホイールの隙間は数ミリしかありません。
微妙にクラッチペダルを踏んでいると滑っているのと変わらなくなってしまいます。
実際どれぐらい持つ
クラッチディスクは上手い人だと、調整はしますが、60万km無交換でイケます。
60万kmでまだ大丈夫でしたが、心配になって交換しただけで、まだまだイケそうでした。
当たり前ですが固定ドライバー制だと長持ちします。
ずーっと同じクラッチの繋ぎ方をするので、減りにくいです。
どこの運送屋さんも乗り回しが基本だと、思いますが、色々なクセのあるドライバーさんがいるので、ちょっと下手な方が乗ると30万kmぐらいで交換になったりします。
新車時や交換したばっかりの時はクラッチディスクがなじむと、半クラッチが遠くなるので早めに調整しましょう。
まとめ
整備士をやっているとクラッチの減り具合が運転が上手い下手の基準になっていたりします。
運送屋さんじゃなく、外国人が運転していたり、たまにしか運転しない人が乗っているトラックはクラッチの減りが早いです。
俗に言うクラッチの切り方を知らないってヤツです。
クラッチディスク交換もディスクだけ交換するのではなく、ミッション下ろしてクラッチオーバーホールになるので、20数万円と2日間時間を頂いております。
上手く乗ればクラッチ修理の回数も少なく出来て、コスト削減になるので、ベテランの方々も今1度自分の運転方法確認して、若手のドライバーはクラッチディスクをイメージしながら走ってみて下さい。