


365日荷物を運ぶトラックは常に過酷な状況で走っています。
グリスが切れると人間で言う所の関節の動きが悪くなったのと一緒で放っておくと骨が削れ元に戻らなくなります。
グリスを刺すことにより動きが良くなり乗り心地、その他装備品の動きが良くなり作業効率が上がり、ストレスも軽減出来ます。
是非この機会にグリスアップに挑戦してみて下さい。今まで憂鬱だった事も解決出来ると思います。
異音がどこから鳴っている?
- 走行時
走行時の車体が上下した時にギシギシときしむ音や、コーナリング時に「ゴッキン」だったり「ギリギリ」みたいな音がしている。
- ウイング、パワーゲートなどの架装装置を動かした時
ウイングを上げた時や、パワーゲートを出す時、パワーゲートを上げ下げする時に「ギー」や「ゴー」と言った擦れる様な音がする。
基本的に摺動部や可動部から音が出る
- 走行時の異音の場合
- リーフスプリングの根本のグリス切れ
- シャックルのグリス切れ
- フロントの足周りの軸、キングピンからの音
リーフスプリングとシャックルは路面からの衝撃を和らげるため車重を支えながらショックにも耐えているのでグリスは中々入りません。下記関連記事にてシャックルがダメになった記事も併せて読んで行って下さい
原因判明路面からのショックが凄くて困っていた日野レンジャーのお客様。確かに中々の衝撃がありました。色々考えました。リーフがヘタってる?キャビンのトーションバースプリング?ショックアブソーバー?[…]
これがトラックのキングピンです。タイヤが切れる中心にピンが入っていてそこもグリスがっ必須です
- 架装装置を動かした場合
- ウイングの付け根、軸の部分か「ギー」と音がする
- 格納ゲート出す時に中々出てこない、しまう時にたまに引っかかって入らない
- パワーゲートの上げ下げが遅い、上げ下げ時に異音
グリスニップル
これがグリスニップルです
これが付いている個所にはグリスアップが必須でグリス切れを起こすとガタがでたり最悪噛みこんで折れてしまう可能性もあります。
重要グリスアップ個所
- ミッション
日野のトラックで多いですがクラッチにベアリングの動きが悪くなりギヤが入らなくなることがあります。
ミッションのグリスアップをしておけば防げる故障です。ミッションを下から覗くとニップルが見えるのでそこにグリスを刺します。
- パワーゲート
格納パワーゲートの場合ゲートのスライドレールのグリスが切れるとゲートが出てくるのが遅かったり、最悪格納途中で斜めになってハマる事が非常に多いです。
スライドレールのグリスアップはレールのゲートユニットが通るレールの上面と下面に指でグリスを塗れば大丈夫です。
結構みんな知らないので困っている人がいたら教えてあげて下さい。
パワーゲートもグリス切れで動かなくなる現象が良くでます。しかもパワーゲート止まったらレッカーも超苦労するので、グリスを刺す個所が多いですがグリスニップルを探して下さい。
- リーフスプリング・キングピン
この辺はひたすら動いているので良くグリス切れしますし車体の重量もかかっているのでグリスが入りづらいですし、入れにくいですが、そこは腕の見せ所でニップルを探して刺しましょう
もしグリスアップをしても症状変わらない場合はリーフスプリングの破損の可能性もあるので下記記事も併せてどうぞ
三菱ファイター古い型のファイターで、80万kmぐらい走っている車ですが、車検を入れて頂きました。装備は標準ボディーのウイング、跳ね上げパワーゲート、後付で冷蔵ユニットを付けたみたいです。後付冷蔵ユニット前の記事で[…]
グリスアップに必要な道具
グリスアップはニップルにグリスを押し込むグリスガン、シャシ部分に使うグリス、手にグリスが付かない様にする為のビニール手袋。
僕も色々使ってきましたが使いやすかった物を紹介します。これを1個買えば使いまわしも効きますし当分困らないと思います。
グリスガン
グリスガンにも種類があってニップルにプリっとハマるロック式と普通のノズルのグリスガンがあります。
僕のおススメはロック付きです。
ロック無だとニップルとノズルの隙間からグリスが逃げてしまうのでロック付きをおススメしています
グリス
グリスに関してはシャシグリスが良いとかモリブデングリスが良いとか色々ありますが僕が使っているのがコチラ
ビニール手袋・ウエス
グリスアップの際にグリスが手に付いたり指でグリスを伸ばしたりする時に手が汚れない様に手袋をしておくと作業効率が上がります。使った手袋はそのまま捨てれば手を軽く洗うだけで大丈夫です。
大きめの段ボール
これは何に使うか言うと寝板です。
ミッションやフロントの足回りは寝っ転がってやった方がグリスが入れやすいので段ボールを寝板替わりにしてやると服が汚れず出来るし作業も早いです。
最強のグリスアップ方法
この方法は整備工場でしか出来ませんが、僕の中では最強です。
まずグリスを刺すニップル回りを洗浄します。
グリスは古くなって来るとホコリやゴミ、鉄粉と混ざりカチカチになります。
なので、高圧洗車機(スチーム)でしかもヒーター付きの熱湯でガンガン洗います。
古いグリスをキレイにしたら、エアーグリスガンでグリスアップ!
メッチャ入りますよ!
新しいグリスが入ると気持ちいいですよ。
1度車検や点検など入れてる所にキレイに洗ってもらうと、運転手さんでもグリスアップ出来ます。
トラックのエアタンクからエアーを取り出せるならエアーグリスガンが使えますので一応コチラ
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グリスアップの方法はInstagramなどで動画で出しております。
Instagramでは整備の情報や僕が作っているシステムなどの紹介もやっておりますのでフォローしておいて損はないです。
そして僕が今までの経験や運送業界で学んだ事を踏まえた運送屋さんの事を考えまくった渾身のシステムは僕のホームページを見て行って下さい。
必ずあなたのお役に立てると自負しています。
まとめ
グリスアップは地味な作業ですが、すごい重要な作業の一つです。
パワーゲートのトラブルは大体納品先で起こり、納品出来ないもしくは手で下ろして時間がかかりさらにゲートを出しっぱなしで帰るかレッカーを呼んでもゲートが出てるとどうにも出来ません。
ミッションも同じでどこかで動かなくなってしまったり、まだ使えるクラッチを消耗して余計な修理代がかかったりします。
万が一可動部や摺動部が壊れた場合は高額修理になるので今回の記事を参考にグリスアップに挑戦してみて下さい。
慣れるとパパっと終わって翌日から快適に仕事が出来る様になると思います。